
30代まで美容師を頑張ったのに美容師を辞める理由は何なのか?
高校を卒業して、美容師専門学校へ進学して、20歳で美容室に就職して、そこから日々努力を重ね、美容師として頑張ってきたのに、生活の変化や、考えのは変化で美容師を辞めていく人は多いです。
美容師と言っても、アシスタント1年目の見習い期間であれば、一年立つと、おおよそ半数が辞めていき、その一年後にはその半分が辞めていく。
新卒からスタイリストになるまでの期間頑張っているのは、1年目から数えると1~2割程度。
同期が10人いてもスタイリストになる頃には2名くらいしか残っていない。
さらに、30歳になるまで美容師をやっている人は1割未満という、凄まじく離職率の高い環境となっています。
昔からの夢で美容師を目指してきたのにも関わらず、美容学校を出て、美容師免許を取得しても結果的に美容師として仕事を続けている人は一部となっている業界です。
そんな中で、20歳から10年以上頑張ってきて、実績も作ってきたのにも関わらず、
「転職を考える美容師」が多いのも事実です。
美容師が辞める理由を考えると
・給料が安い
・休みがない、少ない
・福利厚生がない
・お客を相手にする精神的ストレス
・拘束時間の長さ
・体力的にきつい
・手荒れや薬剤かぶれ
など、おおよそこの辺りで大半の人が転職を考えるキッカケとして引っかかる部分があると思います。
結婚して、子供ができればなおさらだと思います。
ここまで頑張ってきたのにも関わらず、
「1年目のアシスタントから、10年以上の美容師経験者までもが、離職率の高い理由となる原因に悩まされて業界を去っていく」
というのがずっと繰り返されているのが美容師業界の現状です。
昔と比べると多少改善された部分もありますが、30代美容師でも辞める理由となるのが少し寂しいですね。
30代、40代美容師が福利厚生として厚生年金をもっと考えるべき理由
私が美容師を辞めた理由は他でも書いていますが、たくさんあります。
私の場合は結婚して子供が出来たことで
仕事をする事が
「家族を守る事」
「家族と過ごす事」
に変化したことが男性美容師から転職をした一番大きな考えの変化でした。
それまでの独身時代は、
「美容師が自分のファッションの一部」とでも言いましょうか、
「美容師をやっているのが自分で、自分は美容師なのだと」考えていたように感じます。
しかし、美容師として将来の生き方、40代、50代になった時の美容師の現実を考えた時に、美容師という職業を辞める選択はそこまで難しくなかったです。
その理由は、
「厚生年金に未加入」という事が大きな理由です。
それまでの私は「年金」というものに対して全く興味がなかったです。
20代でそこまで年金制度に対して、興味を持っている人はいないと思います。
美容師は「会社に雇用されている社員」
なので「雇用保険」はあるが「社会保険」というものがない。
要は「健康保険」と「厚生年金」です。
社員として給料制で雇われても、福利厚生として「社会保険完備」という、
会社員としては当たり前のモノがない業界。
今でこそ、「社会保険完備」という美容室が増えてきましたが、
雇用されているのに無いというのが「おかしい」と思わない業界。
「最近は、改善されて社会保管があるから昔より良くなった」と勘違いしている業界。
「社会保険完備で求人で売りだと」勘違いしている業界。
私の場合は、約10年美容師をやって、10年間、「国民年金」でした。
それから転職をしてそこからは「厚生年金」です。
簡単に説明すると、
「国民年金」は基本的には自営業者の方が加入する、年金ですが
国が定めた支払額を払うことで、国の規定の金額を受給できる、最低限の金額の年金制度です。
自営業者は「蓄えがあるのでそれの補助」という認識で国は金額を決めています。
「厚生年金」は国民年金と、更に、「雇用されている会社が負担してくれる年金」があります。
要は、国民年金と+@でも、1つの年金を企業が負担してくれている。
2つ分の年金が貰えるような感じです。
給料✕負担額となるので、給料が増えればその分、負担額は増えるのですが、それだけ、もらえる金額も多くなる。
更に、奥さんが扶養であれば、その分は免除となるので、奥さんも負担した事になり、
国民年金を収めている事となり受給が出来ます。
公務員は更に、もう1階層上乗せされます。(もちろんそれだけ負担額は増える)
このように私は「年金」の事を考えてしまいました。
私は、美容師のときは「雇われ」です。
勤務時間も、休みも会社に決められ、様々な事を管理されて、社畜美容師として仕事をしてきましたが、
雇われている、会社員にも関わらず、
「有給も規定通り支給されず、厚生年金も加入出来ない」
「歩合給なのに雇用されていて自由はゼロ」
という、我慢の積み重ねてこの会社は成長して来たんだなと感じるようになりました。
がんばってきたはずなのに、私が無知だったことで、
与えられるモノも与えられず、権利も権利だと知らず、業界の非常識を常識だと思って仕事をしてきた自分が馬鹿でした。
10年間頑張った私ですが、
「蓄えのある事が前提の自営業」と同じ年金制度に20歳から加入していました。
子供が出来て将来のことを考えると、バカバカしくなってしまって、
「この10年間、どれほどの損をしてしまったのだろうか」
「私の10年間は何だったのだろう?」
そう考えると、美容師を続けるという選択肢はありませんでした。
なかなか年金制度の事を考える美容師は少ないですが、一度しっかりと考えてほしい。
そして、30代、40代美容師の方は真剣に考えるべきだと思います。