
美容師からの転職後に気が付いた事【ビジネスのバランス感が悪い】
私が実際に美容師から転職をして感じたことは
「ビジネスのバランスが非常に悪かった」
ということです。
20代だろうが、30代だろうが美容師として実績を作ってきて、それを周りに自分の結果だと言葉にして伝えてられるような美容師さんは、
「十分に美容師としプレイヤーとしては成功をしている」と思います。
十分な結果を残せない美容師でも、
十分に優秀な方は多いと思います。
しかし、私が感じたことは、
「ビジネスとしては一芸にたけているだけ」というように感じます。
例えば、M-1グランプリで過去最高得点を取ったミルクボーイさんのネタの
「コーンフレーク」で出てきた栄養の五角形のバランスで考えてみると、
「美容師をしてきた人って、一つの箇所だけが最大値になっていて、
ほかのところって、0から1程度のグラフができるんじゃないか」
と思っています。
言い方が悪ですが、それくらい偏っているということが言いたいだけです。
「美容師の仕事しか知らない」ことは当然なのですが、
美容師として「プレイヤー」でしかない方がほとんどで、
運営や、マネージメントを学び、実践してきた美容師は少ないと思いますし、
いたとしてもそれはあくまでも、会社とお店のパイプ役程度のマネージメントの方がほとんどではないでしょうか。
そんな「カリスマプレイヤー特化型美容師」だった私は、
ビジネスマンとしてのスキルが皆無だということを転職後に私は痛感しました。
美容師という職業は免許制の仕事で、免許保有者しか仕事ができないので、
非常に封建的とでも言いましょうか、特殊な業界だと感じました。
働いているときは、教えてもらうことが正しいと思って仕事を教えてもらっていますので、おかしいとも思わないし、
実際に「美容師として必要な事」しか教えてくれないお店も多いと思います。
最低限の技術と、知識と、社会人スキルで、スタイリストとしてデビューをしてお客さんを担当していき、その後はその美容師の感性のまま成長して、美容師の型が形成されていく。
それが、個性や、考え、仕事のやり方として表れるが、それも良しとなる。
「特定の栄養素はすごい入っているんだけど、そのほかがスカスカ」
転職後の私はまさにこの状態でしたし、技術に特化している仕事はこういう傾向が強いのかなと感じます。
一芸を極めるのは素晴らしい事ですが、転職をしてビジネスマンとして仕事をしていくわけですから、ある程度のバランスは大事だと思います。
私は、美容師としての自分が、ビジネスの中では非常に小さい存在だったのではないかと感じました。
それは、特定の業界だけの偏った能力と偏った考え方から来ているものだと私は感じます。
会社の講習で知ったことは【美容師時代では教わらないことばかり】
先ほどの、ビジネスのバランス感ということですが、もちろん足らない部分は転職先の企業で身につければいいですが、
周りは、「ビジネスマンとしてプロ」です。
自分がアシスタントに求めていたものを、今度は求められるわけですから、今までの感覚で仕事をしていてはいけません。
私は転職後に、会社の講習があったのですが、そこでは、
社内ルールや、規定などの説明はもちろんですが、
ビジネスマナーの講習もあります。数日間みっちりとやりました。
多くの企業が当然やっていることなのですが、こんなことやっている美容室は少ないと感じました。
ただ私がここで言いたいことは、知っているから偉いとかではなくて、
「やったからいいのではなくて、知ってて損はない」
「みんなが知っていることは知っていないと損」
ということです。
たとえば、
お辞儀の角度の意味は?
社外に対して、上司の呼び方は?
ノックの回数の意味は?
上座下座って?
当たり前のことなんですが、美容師の私はとても勉強になりました。
知っていることもあるが、どういう意味があって、理由をつけて周りに話せるかというとそこまでの知識もないというのが正直なところでしたので、
当たり前の事なのですが、無知だった自分には身になったと思います。

正しいことを伝えて納得しもらう【大体とか多分は通用しない】
「多分」「大体」「確か」ということを私はよく口にしていました。
多分これくらい、確かこれくらいとか、よく使っちゃうと思います。
美容師時代にも
感覚的にやっていることとか、感覚で伝えている事って多かったと思います。
でも、それって企業で働くと通用しない。
「わからないことは調べて報告する」
「知らないことを曖昧にこたえない」
「答えには理由もつけて準備しておく」
こういうことはとても大事で、役職や役員に対して曖昧な返答は通用しません。
理由をつけて納得してもらう必要があります。
そして、報告しても多くの質問をされるので、その返答も想定し準備をしておかないといけません。
これは、対企業や、顧客に対しても同じだと思います。
でも、よく考えると、美容師時代は曖昧な表現が多かったなと思います。
カット以外の仕事はアシスタント任せだったにも関わらず、曖昧な表現や、指示ばかり出していたのかもしれません。
そして、私が、
会社員に転職してからも「多分」「確か」などを連発していたのは、
「知らないことは悪い事」だと思っていたからかもしれません。
「知らないことが悪いのではなくて、知らないことを曖昧に答えたり、確証がないのに相手に伝えてしまうことのほうが悪い」
というのは基本です。
新人の時は知らないことばかりなので、「知らないことはわからない」とちゃんと言って、教えてもらえばいいんです。