
美容師になるという選択
私は元美容師で、およそ8年間美容師をしていました。
美容師になる事は学生時代からの夢であり、憧れでもありました。
自分の中では美容師になる事で頭が一杯で、高校を辞めてまで美容師になりたいと思うくらい
早く美容学校に行きたいと思う程でした。
「美容師になって早く活躍するんだ」
「美容師になってあんな髪型作りたい」
「美容師になって色々な髪型をていきょうしたい」
時代的にはちょうどカリスマ美容師ブームが過ぎたくらいの頃でした。
テレビや雑誌で連日美容師がもてはやされて、
都市部ではカリスマ美容師と呼ばれる人たちの全盛期を見た時に
「自分もこんなふうになりたいな」と思ったときから
絶対に美容師になると決めていました。
どんな職業でもそうですが、夢を叶えるという事は
それに向かって行動をしなければ簡単には実現す事は難しいということは
みなさんもわかっている事だと思います。
私はそういう事も何も考えず、
「美容師になりたい」だけでなった感じですので、
アシスタント期間の事とか全く考えていませんでした。
理想を追い求め過ぎて、現実が全く見えていませんでした。
美容師になるために必要なこと
美容師になるためにはまずは
「専門学校を出て、美容師免許を取得する」という事が必要になります。
国指定の養成施設で各科目と実習を2年間で規定時間分の教育を受けて、
卒業するとそれで国家試験の受験資格をもらえます。
それでやっと国家試験の受験ができます。
そこでテストに合格すると国家資格の美容師免許を交付してもらえます。
それと同時にいよいよ美容室で働く事になります。
最初からお金をもらう技術はありませんから、ここからアシスタントとして
日々、スタイリストの業務のヘルプをしながら、営業後に連日練習をして技術習得をしていきます。
おおよそ、3-4年ほどだと思います。
短くて1.5年、長くて7年位はアシスタントとして働きます。
更にカットのならし期間(毎日1名入客してなれていく)ジニアスタイリストという期間が
0.5-1年位はあります。
それを終えてやっとスタイリストとしてデビューできるという感じです。
これでやっと「お店としてお金をもらえる最低限のレベルに達した」ということです。
その後も、セットを覚えたり、さらなるレベルアップを目指して練習は続けます。
色々と失敗も、工夫もしながら成長していきます。
しかしここまで来るのに、どれくらいの人が残っているんでしょうか。
ここまで来るのにアシスタント期間が耐えきれず多くの人が夢を諦めてお店を去っていきます。
私は、比較的大きなお店でしたので、多くの同年代の人間が去っていくのを見てきました。
美容師の世界の華やかでかっこいい世界の裏側で…
美容師の世界は華やかに見えて、かっこよく見えます。
少なくとも私はそう見えて、美容師になりました。
これは私だけではなく、多くの人も感じたのではないかと思います。
しかし、現実には非常にシビアで、技術を習得していく修行期間とも呼べるような期間がある。
想像していた「バリバリ活躍する美容師」を目指していたが、そのギャップに打ちのめされていました。
美容師になるのは大変だと思いますが、
「美容師って大変だよね」
「毎日練習大変だよね」
お客さんや友達にもよく言われました。
世の中では大変な職業と完全に認知されていますが、私はその通りだと思います。
もちろんどんな仕事でもたいへんだと思いますが、
美容師の場合は
「好きじゃないとできない」
「好きじゃなきゃ続けれない」
「好きだからやれる」
まさにそれにつきる、そんな特殊な感覚です。
しかし、そんな仕事を続けていくことで自分自身の成長にも大きく影響を与えてくれる職業でもあると感じます。
美容師を辞めてからとても魅力的な職業だったなと気が付きました。
今では美容師の時の経験が非常に大きな自信になっていて、堂々と会社員として仕事をしています。